兼業 職業

教員 兼業例って可能なの?

教員 兼業例って可能なの?

教員として働きながら、別の仕事もできるのかどうかは、多くの方が一度は気になる論点です。

収入面の補完だけでなく、専門性を社会に還元したい、将来のキャリアの選択肢を広げたいといった動機も背景にあります。

一方で、教員は公務員の身分を持つため、兼業・副業には一定の制限があり、何でも自由にできるわけではありません。

ただし、制度として認められている形や、許可を得て実施されている例は存在します。

この記事では、一次資料として示されている公的情報を踏まえ、教員の兼業例を「できること・難しいこと」に分けて整理し、現実的な検討手順まで解説します。

教員の兼業は「原則制限、例外的に許可」が基本です

教員の兼業・副業は、公務員としての職務専念義務や信用失墜行為の防止などの観点から、一般に制限されます。

そのため結論としては、無許可で広く副業を行うのは適切ではなく、許可された範囲での兼業例を選ぶことが重要です。

また、制度上の位置づけとして注目されるのが、文部科学省が推進する複数校指導です。

同時双方向のオンライン授業も活用しながら、免許を持つ教員が複数の学校で指導する形が促進されています。

なぜ自由な副業が難しく、許可型の兼業例が中心になるのか

公務員教員は職務の公正さと信頼性が強く求められます

公務員の兼業・副業が制限される背景には、利益相反の回避や、職務への支障防止といった考え方があります。

教員の場合、児童生徒や保護者との関係性、学校の中立性が重視されるため、外部活動が学校の信用に影響し得る点も論点になります。

このため、兼業を検討する際は、内容だけでなく「誰を相手に、どのように報酬が発生し、勤務時間とどう両立するか」まで説明可能であることが求められると思われます。

制度として進む「複数校指導」は、兼業というより公務内の役割拡張です

文部科学省は、教科免許の不足や教員確保の困難さに対応する施策として、複数校指導制度の推進に力を入れているとされています。

同時双方向のオンライン授業を活用し、複数の学校で指導する形も含まれます。

これは一般的に想像される「民間で副業をする」形とは異なり、教育の質確保と人材配置の最適化を目的とした動きと整理できます。

実施の地域差があり、「許可が出やすい」とは一概に言えません

公務員全体の副業・兼業の認可件数について、自治体で「0件」が25.6%、「11~50件」が23.1%というデータが示されており、地域差が大きいことが分かります。

このことから、教員の兼業例を調べる際も、全国一律の感覚で判断せず、所属自治体・学校設置者の運用を前提に確認する必要があります。

本務・兼務の整理や、非常勤講師との区別が実務上重要です

総務省の整理として、再任用制度により採用された教員の場合、常時勤務する学校を本務、短時間勤務する学校を兼務として扱うとされています。

また、複数の学校で非常勤講師として発令されている場合は、すべての学校で兼務者として扱われるとされています。

このように、「何を兼業と呼ぶか」は雇用形態や発令のされ方で変わり得るため、自己判断での解釈は避けた方がよいと考えられます。

教員の兼業例として検討されやすい具体例

複数校指導(オンライン授業を含む)

教員の兼業例として、まず制度上の動向として押さえたいのが複数校指導です。

文部科学省は、同時双方向のオンライン授業を活用した複数校での指導を促進しているとされています。

想定されるメリットは次のとおりです。

  • 免許教科の不足に対して、指導体制を確保しやすくなる
  • 学校間で授業機会の格差を抑える方向に働く可能性がある
  • 働き方改革に配慮しつつ進める方針が示されている

ただし、実際の運用は自治体・学校の体制に依存するため、対象教科や時間割調整、オンライン環境整備などの条件が整う必要があります。

大学での講師活動(ビジネススクール講師など)

副業・兼業の具体例として、大学のビジネススクール講師を務める事例が報告されており、本業とのシナジー効果が期待されているとされています。

教育職としての専門性を活かしやすく、研究・実践の往復が可能になる点は利点です。

一方で、講義準備や成績評価などの業務が発生するため、本業の勤務に支障が出ない設計が不可欠です。

また、報酬の有無や契約形態によって許可の扱いが変わり得るため、事前相談が重要になります。

再任用・短時間勤務における「兼務」

再任用制度により採用された教員のケースでは、常時勤務する学校が本務、短時間勤務する学校が兼務として扱われるとされています。

この形は、一般的な意味での副業というより、教育現場内での配置・勤務の組み合わせに近いものです。

ただ、当事者の感覚としては「複数の職場で働く」という意味で兼業に近い捉え方になる可能性があります。

勤務条件や服務規程の確認が前提となるため、発令内容を基に整理することが大切です。

複数校で非常勤講師として働く(すべて兼務扱い)

複数の学校で非常勤講師として発令されている場合、すべての学校で兼務者として扱われるとされています。

この形は、授業単位で働き方を設計しやすい反面、移動時間や学校ごとの運用差が負担になる可能性があります。

また、学校側のニーズ(担当可能な教科、曜日、コマ数)に左右されるため、希望どおりに組めない場合もあります。

まとめ:教員の兼業例は「制度内の兼務」と「許可を得た外部活動」が中心です

教員の兼業例を検討する際は、公務員としての制限を前提に、許可された範囲で現実的な選択肢を探すことが重要です。

具体的には、次の整理が役立ちます。

  • 文部科学省が推進する複数校指導は、オンライン活用も含めた制度的な動きです
  • 大学講師など、専門性を活かした外部活動は例として報告されていますが、許可や運用確認が前提になります
  • 再任用や非常勤の発令形態では、本務・兼務の扱いが定義されています
  • 認可件数には地域差があり、自治体ごとの運用確認が欠かせません

無理なく進めるために、まず「確認」と「設計」から始めてみてください

兼業を考える背景には、収入、専門性の発揮、将来のキャリア形成など、さまざまな事情があると思われます。

一方で、教員の兼業は「やりたい仕事」から入るよりも、許可の見通しが立つ形に設計できるかから逆算する方が安全です。

最初の一歩としては、次の順番が現実的です。

  • 所属自治体・学校設置者の兼業規程や運用を確認する
  • 希望する活動が利益相反や勤務支障に当たらないか整理する
  • 勤務時間・準備時間・移動時間まで含め、継続可能な形に落とし込む

不明点がある場合は、自己判断で進めず、管理職や担当部署に早めに相談しておくと安心です。